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絆に見守られて(本出版までの日々) その30 新しい家族 新しい空気

その年の10月、父の3回忌の法事などがあり、休日明けに娘が職場へ行くと、同僚の方達が猫がいると騒いでいました。
職場の周辺は海辺で釣りのお客さんも多いせいか、その魚をいただいてるのか野良の猫が何匹かいるそうです。
ですから何を今更と思ったそうですが、それとは違う新顔さんで、野良の子にしては人懐こく、職場の中に入り込んですり寄って来るという……。
黒地にあごとお腹、足先が白い子。そしてちょっと大きいサイズ。

ウバ

特に逃げるでもなし、職場の中や外で一人遊んでいた子でした。
皆さんにはジジと呼ばれ、かわいがられていたようです。
その頃職場のイベントがあって、皆で留守になったりもしたそうですが、ちゃんとお留守番していたり。

そうして1週間ほどいたそうですが、職場は市の管轄。
勝手に猫を飼うことは許されなかったのです。
このままでは保険所送りになってしまうかもしれない。
ひとなつこい子だし、誰かに飼われていたに違いないし、いつか飼い主さんが探しに来るかもしれない。
誰かが保護してあずかろうっていうことで、娘は自分がと名乗り出て行ったそう。

主人は猫はあまり好きではなかったですので、許可されるかどうかもわからなかったのですが、とにかく連れて帰ってきました。
義母がいたら、動物嫌いな人でしたから猫を家に入れることは猛反対でしたでしょう。
その前にいたゴールデンのクリスも、主人が知人からいただいた子ですが、返すか捨てるかしろと言われて、家では飼えず、主人の店で看板犬として飼うことになったということがありました。

しかしその猫は本当にお行儀がよく人懐こかったので、飼い主さんが見つかるまでという約束で、主人が許してくれました。
警察へ届けたり、ネットのサイトを利用したりして飼い主さんを探しましたが、見つからないままです。

名前は仮の形でウバと名付けました。
娘が好きなバンドUVERworldからなんですが、その名前にすぐ反応するようになりました。
人懐こさで、主人もかわいくなったのか、姿が見えないと探し回ったり、何かとちょっかいをかけるという具合で。
家族の中に溶け込むのにはそれほど時間は必要なかったです。



こうしてウバが新しく我が家の一員となりました。
まだこの頃は仮にでしたが。
飼い主さんが見つかるまでは預かりものであるという意識も。
しかし私たちが彼に情を移すのにも時間はかからなかったです。



もともと5人家族で、そこに主人の姉妹たちの家族も毎日のようにやってくる家でした。
それが両親がいなくなったことと、私の体を気遣ってか、皆さん全く来なくなってしまいました。
犬のクリスもいなくなって、家の灯は消えてしまったよう。

入院中数度、週末に外出許可をもらえて帰る事がありましたが、その時家に一歩入ると、何とも言えない重たい暗い空気に押しつぶされそうな気がしていました。

その頃まで娘と主人の間にも会話というものがほとんどない父子でした。
私の入院中、家に帰りたがらない娘は、消灯時間までのぎりぎり、9時頃まで病院にいた事もしょっちゅう。
主人は主人で、食事は自分の好きな所での外食で、そのままゴルフの打ちっぱなしに行ってしまう。
そのわびしい家の中の空気を感じたのでしょう。

それがウバが来てくれたことで主人と娘の会話も自然と増えました。
以前はその仲介役を私がとる形でしたが、今では二人で直接話をしたり、私を介さずとも色んな相談事を父親に持ちかけている娘です。
ウバを受け入れてくれたことが大きかったみたいです。

そんな風に家族の気持ちの持ちようまで変えてくれたウバ。
たった1匹で私たちに幸せな空気を運んで来てくれた彼。
私たちの運命まで変えてくれたような気がします。
私にとっても、その数年間辛い時期でした。
父が倒れた時、義父の介護と重なってなかなか手伝えず、体が二つ欲しいと心底思った日々。
婚家での理解者でもあった義父の死。
その後どうしても義母と折り合いが悪く、私の誤解から婚家で孤立している気持ちに陥ったこともありました。
そんな頃の父の死。
それから義母が倒れ、それと同時に愛犬クリスの介護が始まり、義母の死。
その後叔父の死と続いて、今度は自分の入院、クリスとのお別れ……。
そんな中で私も、そして家族も気持ちを立て直すことができないままでした。
その空気をウバが変えてくれたように思えるのです。
そのために彼が来てくれたような気もするのです。


ウバが来た11月。
その月は何かが動き始めた月でもあります。
しかしそれには、また大切な人とのお別れを乗り越えないといけませんでした。
そしてそのお別れは、大事な人たちとの再会、運命の歯車がかみ合って動き始めることにつながって行きます。
私と晶惺さんの夢につながる大事な時期でした。


それについてはまた次回に。




(つづく)




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テーマ : 雑記
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

AYAKA

Author:AYAKA
「乳癌とエリちゃんに感謝。病気に負けない日々」を綴っていたあやにゃんです。

日々思うこと、自作小説の執筆裏話を中心にお届けします。
不定期更新ですがよろしくお願いします。

アメブロで、猫のウバとブログやってます。
http://ameblo.jp/ayatakelog/
(ウバのひとりごと)
リンクからどうぞ→




武美肖佳&龍未晶惺の名で、学生時代からの親友とこのたび文芸社から本を出版しました。

「DESTINY―遥かなる宇宙より―」
武美肖佳(たけみあやか)
龍未晶惺(たつみしょうせい)

四六版・並製268頁 
定価1,155円(消費税込み)
文芸社
ISBN978-4-286-12296-0

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