スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

絆に見守られて(本出版までの日々) その27 桜咲く中で

この入院の間に、腎臓の病気のほかの病気も見つかります。
左の乳癌。
心臓が肥大していたので、聴診器を当てたときに主治医の先生があれ? と思った事で乳腺外科の先生に連絡を取ってくださって、すぐに検査をしてもらうことができました。
はっきりするまで、娘には言えないと思っていました。
クリスをなくしたばかりで、今度は私が。
母にも言えないと思っていました。
父を見送ったばかりで、今度は……。
自分の体のことより、大事な人たちを悲しませることになる事が辛かったです。

けれど告知はたまたま見舞いに来てくれていた娘も、聞くことに。
乳腺外科の先生が話があると言って病棟まで来てくださったのですが、そちらでの検査を知らない娘は不審に思って、一緒に聞くと言うことになってしまいました。
母には自分から言えず、長男である弟にお願いして状況のよさそうな時に伝えてもらうことにしました。

弟から告げられ母がどんな思いをしたかは、分かりません。
それから時間を作っては、何度も遠い道のりを大きな荷物を抱えて通ってくれてました。

癌であると告知され、当初はおそらくリンパ節へ転移しているだろうと言われていました。
左脇のリンパにいくつも怪しい影があったのです。
そうなれば他への転移もありうるということ。
しかしネフローゼの治療が始まり、ステロイドをまだ大量に投与されている状態。
ステロイドがある程度減らせる頃でなければ手術はできないと言われました。

同じ病室に別の癌患者さんもおられて、その闘病の様子も見ながら、自分もいつかはと色んな覚悟を決めた頃です。
もしかしたらもう長くないのかもという、不安もありました。

その前年末頃から体調が悪かったので晶惺さんとも会わないまま3か月を過ぎようとしていました。
彼女に入院したことや、その後の経過をメールしたりもしたのですが、返事が来なかったので、おかしいなと思っていたんです。
やがてずいぶん経ってから返事が。
彼女はその当時ある事故に巻き込まれて、もう少しで命を落とすような状況だったことを知りました。
話しを聞いてよく生きていてくれたと、どんなに思ったか分かりません。
胸の骨を折ったということで、彼女も動けない頃だったのです。

病気でなくても、いつ何が起きるか分からない。
命って本当にちょっとしたことでなくしてしまうこともあるんだ。
儚くてもろくて、そして何よりも大事。
震災や脱線事故の中で思った事が甦りました。


いつまでも元気でいつまでも書くことができるとは限らない。
そのことを思い知らされたような気がします。
母は病院に来るたびに、もっと若い頃にやりたいことをさせてやりたかったと、何度も言いました。
当時祖母の介護もありましたし、決して裕福とは言えない中だったけれど、アメリカへ行きたいと言って来た時に本当は行かせてやりたいと思っていたのだと。
コンビニの店長をし、その後は義父母の世話もしてきた。これからは何にも縛られずやりたいことをやり遂げて、満ち足りた気持ちで生きて欲しかった。小説家になりたいなら、思い切り書きたいことを書いてやり遂げて欲しかった。あんたにはいっぱいがまんさせてしまったから、それが悔やまれる。
そんな風に言っていた母でした。

でも実は病室に書いていた原稿を持ち込んでいた私です。
娘に頼んで持って来てもらっていました。
癌と宣告されても、そしてもう少し後で一生完治することはないと言われるSLEであることも分かりましたが、まだしぶとく書けるところまで書きたいと、母に言われるまでもなく思っていた私でした。
そういう所は頑固なんです。

それでもある時、1階の外来で検査を待っていた時、待合室から見えた満開の桜に、1年後、2年後とまた見られるのかなとふと思ったことがありました。
あとどれくらいの時間を許されているのかは分かりませんが、それでも最後まで書き続けたいし、できれば書いてきた物を日の当たる所へ出してあげたい。
そんな日が来ればいいなと、漠然と思いました。

4月のある日曜日父の月命日にあたる日。
父の納骨があるというので、外出許可をもらって一時帰宅することに。
その日は丁度クリスの49日でもありました。
なぜか父とクリスがともにいるような気がして。

午前中に動物霊園へ、昼過ぎに家族3人で実家の墓がある丹波へと。
ここでも遅咲きの山桜が咲いていて、なぜかその花に励まされた気がしました。
クリスの命をもらったのかもしれません。
父が側にいて「ダイジョウブ」と言ってくれているようにも思えました。

今年も桜が咲く季節になりました。
あれから3年。
桜を見るたびにあの時の思いがふっと湧き上がってくるのを覚えます。

人の与えられた時間には限りがある。
また来年。そんなことは誰も保証できないわけです。
だったら今できることをするしかないですよね。

去って行った人たち、愛犬を思うたびそんなことを思うのでした。


(つづく)

スポンサーサイト

テーマ : 雑記
ジャンル : 小説・文学

こんにちわ

こんにちわ。いつもありがとうございます。
最近は体調は大丈夫ですか??
私は相変わらずの氷食症、浮腫みで手が痛い状態です。
病院に行っても原因は分からないし・・
でも、検査などはしないつもりです。私の気のせいかと思うし。

さくらはおかげさまで数値も低いながらも安定しています。抗がん剤止めた時はどうなるかとも悩みましたが今はこれで良かったのだと思うようにしています。

Re: こんにちわ

こんにちは。さくなつちぃさん。

ありがとうございます。
調子……そうですね。元気~と言いたいけれど、やっぱり浮腫みと血糖値との闘いです。
でもぐうたらしながら、ぼちぼち……ね。
3年前、私も気のせいかなって思っていて、結局入院っていう羽目に。
今も検査の数字にはとりたてて悪化が見られないけれど、体の重だるさはあの時に近い物があります。
できれば時間をとってみてもらった方がいいと思うよ。

さくらちゃん、抗がん剤治療やめたんですね。
うちの母も体に合わないということもあったし、副作用で辛い思いをするくらいならと、本人の希望でやめました。
やめた事が正解だったかどうかは分からないけれど、でもその後の1年。
行きたかった所にも行けたし、会いたい人にも会えたし、最後は満足だったと言っていました。
苦痛が続きながらの延命と、短くても楽な時間を過ごすのと、どちらがいいのかはその時々なのかな。
クリスも脳に腫瘍が飛んで、痙攣を起こしてたけれど、それでも最後の1月はとても楽そうで、ゆったりとした時間を送れたし。それでよかったんだと思うしかないよね。
さくらちゃんも、今は楽そうだもの。
穏やかに残りの時間を過ごしてほしいですよね。
そばで見ているパパさんやママさんも辛いかもしれないけれど、なるべく穏やかな気持ちで接してあげてね。


非公開コメント

プロフィール

AYAKA

Author:AYAKA
「乳癌とエリちゃんに感謝。病気に負けない日々」を綴っていたあやにゃんです。

日々思うこと、自作小説の執筆裏話を中心にお届けします。
不定期更新ですがよろしくお願いします。

アメブロで、猫のウバとブログやってます。
http://ameblo.jp/ayatakelog/
(ウバのひとりごと)
リンクからどうぞ→




武美肖佳&龍未晶惺の名で、学生時代からの親友とこのたび文芸社から本を出版しました。

「DESTINY―遥かなる宇宙より―」
武美肖佳(たけみあやか)
龍未晶惺(たつみしょうせい)

四六版・並製268頁 
定価1,155円(消費税込み)
文芸社
ISBN978-4-286-12296-0

最新記事
最新コメント
カテゴリ
各カテゴリごとの記事は、過去記事から読めるようになっています。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新トラックバック
月別アーカイブ
こちらに参加中
よろしかったら、ポチリとお願いします。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。