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絆に見守られて(本出版までの日々) その24 もやもや続きの時代

震災の後、しばらくして晶惺さんは自宅へ戻り、それからは育児に追われる日々。
あれだけ書きたいと言っていましたが、現実その時間もあまりなかったらしく、月に1度会うたび、彼女担当のシーンがほとんど進んでいないという状況が長く続きました。
書くスピードが二人で全く違ってきて、私は追い立てられるようにどんどん進んで、彼女が書きたいと言っていたシーンまで取り上げてしまうことも何度もありました。

彼女も何かと忙しそうでした。
が、私も義父母の介護や世話等をやりながらも、時間をやりくりしながら書いてきたという思い上がりのような物を感じていました。その思い上がりで彼女を責めるような気持ちがむらむらと。
書いて来ても、会う日の間際にあわてて書いたような文体、私が書いた後のシーンを読み込んでいないのか、後で出す予定のシーンを書いてしまってたり、先に種明かしをしてしまってたり。
文体にも明らかな違いがありました。
彼女の癖みたいなものがかなり気になってしまって。
これじゃあ、だめです。と、私はだめ出しばかりで、彼女は何度も同じシーンを書き換える羽目に。
書いていて楽しいはずはありません。

そのうち穴あき状態のまま、先の原稿ばかりが進んでいくようになりました。
彼女との温度差も感じていました。
話しをしていてもすぐに脇道に逸れたり、携帯をいじりだしたり……。
やる気があるのかと叱ったことも何度か。

義父を見送り、介護生活から少し時間が作りやすくなったころ、彼女が時間のやりくりをしやすいようにと私の方が彼女の家に行って、ミーティングをするようにもしました。
しかしそんな頃、彼女の家がある方向へ向かう路線で大きな脱線事故がありました。
その時も彼女の所へ行くために私はすぐ近くの駅にいたのです。
無理に行く状況ではなかったのですけれど、駅にいる私たちには何が起こっていたのか分かりません。
約束を守らないと。
反対側から大阪へ出て、そこから私鉄で彼女の所へ行くことにしました。
やっとの思いで彼女の家に行くと、テレビのニュースで大騒ぎになっていて、そちらに気を取られてミーティングどころではありません。

結局その後、路線はしばらく閉鎖。
遠回りしながら彼女の所へ通っていたのですけれど、そんな風にして行っても、彼女の原稿ができているでもなく、無駄足に近い状態が続きました。

けれども、私も実家の父の具合が悪くなったり、義母の突然の入院があったりという日々。約束を反故にしてしまい、原稿だけを郵送することも。
しかし感想が返って来なかったりと、何とはなしにいらいらがつのる日々。
もう本にすることは諦めないといけないかなと、そんな不安も湧いてきて。

父が亡くなったのはそんな頃でした。
一番読んでほしかったし、認めてほしい人だったけれど、最期の3年間は本を読める状態ではなかったです。
もっと早くに……と思っていたから、その思いで晶惺さんを責めていたかもしれません。

そんな私でしたのに、父の葬儀に晶惺さんは駆け付けてくれました。
学生時代何度かうちにも来てくれ、父ともなじみでしたし。
その気持ちにこたえられる友だちだったかなと、席でうつむく彼女を見てそう思いました。

次の年には義母が倒れ、意識のないまま入院。
主人の姉妹と交代で付き添う毎日で、晶惺さんにはなかなか会えなくなってしまいました。

同時くらいに愛犬も具合が悪くなってしまって。
痙攣をおこすこともしばしば。
半月ちょっとで義母が亡くなり、その後もこの子の介護で、殆ど家を空けられず、家の近くで晶惺さんに会ってのミーティングとなりました。

今思えば、コンビニ時代や震災の頃以上に精神的に辛かった時期でした。
それでもまだ本にすることを諦めきれず、気持ちのどこかにあった野望みたいなものにすがりついて何とか踏ん張っていたように思います。

それからも身内との別れは続いて行きましたが、それはまた次回に……。


(つづく)



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テーマ : 雑記
ジャンル : 小説・文学

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AYAKA

Author:AYAKA
「乳癌とエリちゃんに感謝。病気に負けない日々」を綴っていたあやにゃんです。

日々思うこと、自作小説の執筆裏話を中心にお届けします。
不定期更新ですがよろしくお願いします。

アメブロで、猫のウバとブログやってます。
http://ameblo.jp/ayatakelog/
(ウバのひとりごと)
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武美肖佳&龍未晶惺の名で、学生時代からの親友とこのたび文芸社から本を出版しました。

「DESTINY―遥かなる宇宙より―」
武美肖佳(たけみあやか)
龍未晶惺(たつみしょうせい)

四六版・並製268頁 
定価1,155円(消費税込み)
文芸社
ISBN978-4-286-12296-0

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