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絆に見守られて(本出版までの日々) その20 それでも書き続ける

18年前、1月17日。
阪神大震災。
今思い出しても本当に怖い体験でした。
周辺の色んな物が破壊されて、多くの方が亡くなって、我が家も家のあちこちがいたみ、いまだに上階で誰かが歩くだけでも大きな音がしたり、雨漏りが続いています。

しばらく電話が通じず、周辺の友達も晶惺さんとも連絡が取れなくなりました。
線路や道路が遮断された所もあり、テレビのニュースでは線路を歩いて行き来する人達が映し出されていました。
晶惺さんのお住まいの辺りは大きな被害もあったと聞きます。
電話がつながらないことに悪い想像ばかりが膨らんでいきました。
やっとの思いで通じた時には二人とも電話口で泣きました。

彼女も私も寸での所で子どもを大けがさせるか、最悪亡くしてしまうかの状態をちょっとした偶然から救われました。
命というものは本当に少しのタイミングで失ったり、救われたりするものだと感じました。
同じことをずっとのちにも感じることになります。
晶惺さんは家のあちこちがいたんで、しばらくご実家へ帰ることになりました。

私たちの所はかろうじてまだ被害が少なく、私たちは炊き出しをして被害が大きかった地域の知人さん達におにぎりを届けることに。
ライフラインは完全ではなかったですが、できることがあるということはとてもうれしかったのを覚えています。
出来上がったおにぎりは、主人と義母が車で行けるところまで行って届けました。
一部道が途絶え、大きく迂回しながら届けたそうです。
途中の惨状は帰ってきた主人から聴き、あまりのことに言葉がなかったです。

実家や親戚、友達からも色んな助けをもらいました。
本当に人の心のありがたさを思い知りました。

けれどあまりにショックが大きくて、またこんな時に自分の好きなことをしていたらいけないという罪悪感で、何も書けなくなりました。
この現状を書きとめておきたいとも思ったのですが、何もできないまま時間だけが過ぎている感じです。
それでも家の中のあちこちの後片付けをしながら、落ち着いたら書こうと言う気持ちだけは持ち続けていましたが。

入っていた同人誌のサークルの主催者さんもこの後、書けなくなったと。
彼女は心底プロを目指していましたし、その力も十分ある方でした。
が、何を書いても現実がすごすぎて、無力感ばかりだと言って、彼女は筆を折ることにしたと言います。
サークルもそれを境に終止符を打つことになりました。

晶惺さんも生活の立て直しで書くどころではありません。
その当時は幼い子が二人、震災の数年後にはもう1人生まれ、それからは子育ても忙しい状態になっていきました。


少しずつ周辺の状態は復興に向かっていたのですけれど、私たちは足踏みを続けていました。
未来に希望を持っていても、こんな風に何が起こるか分からない。
けれど……。
亡くなった人も多い中、生きることを許してもらったのではないのかな。
だったら足踏みしていていいのかな。

そんな思いで、少しでも書いて行こうと自分の気持ちを無理矢理に立て直し、立て直すために書くというどちらかよく分からない状態で、執筆を再開しました。

その頃の晶惺さんとは作品への思いの温度差も感じていました。
彼女はすごく書きたがっていたのですが、現実に追われて書けない状態でした。
彼女の中に書きたい気持ちと、できないことへのジレンマみたいなのがあって、辛そうでもありました。

「私、一人でやらしてくれないかな」

とうとう私はそう彼女に言ってしまいました。
一度彼女を解放した方がいい。
私も彼女に窺いを立てることなく書いてみたい。

そう思って彼女から作品を取り上げてしまいました。
そのことを告げた時、彼女は自分が書けない状態だからと納得はしたものの、寂しそうに

「それでも友だちでいてくれるよね」

と言ってくれました。
私達がつながっていたのはこの合作があったからなのかもしれません。
それがなくなったら、友達としてやっていけないのではないか。
彼女はそんな不安があったようです。

続きが書けたら、彼女に読んでもらう。
そうしたらいつか、また書きたくなる日がくるかもしれない。

一人でやらせてと言うのはとても勇気がいりましたが、いつかまた晶惺さんと書ける日が来る事をこの時は信じてもいたのです。






(つづく)
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テーマ : 雑記
ジャンル : 小説・文学

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AYAKA

Author:AYAKA
「乳癌とエリちゃんに感謝。病気に負けない日々」を綴っていたあやにゃんです。

日々思うこと、自作小説の執筆裏話を中心にお届けします。
不定期更新ですがよろしくお願いします。

アメブロで、猫のウバとブログやってます。
http://ameblo.jp/ayatakelog/
(ウバのひとりごと)
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武美肖佳&龍未晶惺の名で、学生時代からの親友とこのたび文芸社から本を出版しました。

「DESTINY―遥かなる宇宙より―」
武美肖佳(たけみあやか)
龍未晶惺(たつみしょうせい)

四六版・並製268頁 
定価1,155円(消費税込み)
文芸社
ISBN978-4-286-12296-0

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