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またまた日が空いてしまいました。

このテーマも、今回で最終となります。初めから読んでみたいという方は、プラグインの「カテゴリー」にある「本出版までの日々」をクリックしてみてください。古い記事から順に読めるように設定しています。



さてこうして私と晶惺さんの学生時代からの夢はかなえられました。
二人ともが本気でやりたい、時間がないと思ったとたん、色んな見えない力が働いて、歯車が回り始めたように思います。

予定より早く出版できたおかげで、母にも読んでもらえることができました。
予定通りであれば、母に出版の報告はできても、読んでもらえる状態ではなかっただろう。今から思えば本当にぎりぎりのタイミングでした。

出版が決まった時、母が言いました。
「きっとお父さんが一番喜んどるよ」

若い頃、父に作家になるなんてとんでもないと言われました。
その頃作った本には厳しい意見も言われて、もう十分だろうと結婚に向けて花嫁修業をするように言われました。
それでもどうしても、書きたかった。
ちゃんとした物に仕上げて、父に認めてもらいたかった。
父の考えに縛られるのが嫌で結婚へ逃げたこともありました。
でも父が嫌いだったわけではありません。
受け入れられないことはありましたが、厳格な父をむしろ誇りにも思っていたのです。
「よくやった」
その一言が欲しかった。ずっと。

「そうかなあ。お父さんは反対してたけれど」
父の写真を見ました。
下の弟の結婚式での写真。紋付姿で厳格そうに口を一文字に結んだ父。まるで侍のような所がありました。
「反対なんかしてへんよ」
母は笑っていました。
「小説書くの、お父さんだって好きでしてたことだから。自分も作家になりたいって思ってたしね。だから本当は応援してたんよ。反対したふり。本当に好きでやりたいことだったら、親が反対したくらいではやめないやろって言ってたよ。だからあえて反対して、本気にさせたんやって。いつか子育てや親の世話とかがすんで、自分の時間が来たら、好きなだけ思い切り書いたらいいって、そう言ってた。ただね。本を出すことで、世間に自分をさらすことになるだろうからって、それは心配してたけれどね」

もうひとつ。母はある人から聞いた話として、私が苦手だった人について教えてくれたことがあります。
義母のことでした。
義母はある社会団体の活動をしていて、その活動のために殆ど家の事はしない人でした。
その活動を私に継いで欲しいと言っていたのを、断ったことがあります。
それ以来何となく風当たりが強いような気がしていました。
母が話を聞いたという人は、母と義母の共通の知り合いの人で、義母の活動を一緒にしていた人です。
その人に義母が言ったそうです。
「嫁とは距離を置くことにした。あの子にはやりたいことがあるみたいで、こっちの事はしたくないと言っていたけれど、私に代わって家の事をよくやってくれている。だから自分はこの活動も何の心配もしないでできるんだと思っている。体もそんなに丈夫じゃないのに、あれもこれも背負わせたらかわいそうや。断ったことに罪悪感を覚えなくてもいいように、距離を置いて、突き放すことにした」

そう言えば義母が亡くなる少し前、なぜか私にいつ本を出すの、と聞いてきたことがあります。
私のすることにあまり関心がなさそうなのに、何故だろうってその時は思ったのですが、そうじゃなかったのかもしれないです。
あえて関心がないように見せながらも、そうやって応援してくれていたのだとその時初めて思いました。

義母だけではありません。
若い頃は、苦手な対象だった人達が今では愛おしく思えて、その一人一人を思うだけで、目頭が熱くなります。
よくよく考えてみればその人達とちゃんと向き合わずに誤解していただけ。
私の勝手な思い込みだっただけ。
長い時間をかけてやっとそのことに気づいたような気がします。




本が出来上がった後、母は大喜びで自分の友達や知人に知らせてくれました。
そして秋、本来の出版予定の頃、大きなキャリーバッグに私たちの本を詰めて、故郷へ。
仲の良かった同窓生のお友達との会食に出席して、本を配ったのだとか。
その旅先で具合が悪くなり、こちらへ帰って来て入院。
一度は退院して、私が短大1回生の時亡くなった祖母の33回忌をやり遂げましたが、その数日後また入院。
そのまま帰って来ることはありませんでした。


思えばこの何年間で、大事な人たちとのお別れが続きました。
義父の弟にあたる叔父も、本を届けたその直後入院し、そのまま亡くなりました。
その1月後には義父の妹である叔母も亡くなりました。
そんな歳に自分も差し掛かった頃、ようやく夢が一つの形になったわけです。

自分の年齢も意識しないまま、これまでただ書き続けてきました。
出版した本はまだ長い物語の入口にすぎません。
私と晶惺さんの夢もこれで終わりではありません。
まだまだこれでいいというわけではないのです。
けれど私たちだけではここまでたどり着けなかった。
ここに書ききれなかったたくさんの人たちのおかげなんです。

感謝を忘れず、これからもずっと書いて行きます。
そしていつか父や母が待つ世界に行く時は、ちゃんとやり遂げたと報告できればと思っています。



最初にも書きましたが、このテーマの記事はこれで最終回とさせていただきます。
お読みくださった皆様、本当にありがとうございました。

ブログは続けますので、また更新したらよろしくお願いいたします。
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テーマ : 雑記
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

AYAKA

Author:AYAKA
「乳癌とエリちゃんに感謝。病気に負けない日々」を綴っていたあやにゃんです。

日々思うこと、自作小説の執筆裏話を中心にお届けします。
不定期更新ですがよろしくお願いします。

アメブロで、猫のウバとブログやってます。
http://ameblo.jp/ayatakelog/
(ウバのひとりごと)
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武美肖佳&龍未晶惺の名で、学生時代からの親友とこのたび文芸社から本を出版しました。

「DESTINY―遥かなる宇宙より―」
武美肖佳(たけみあやか)
龍未晶惺(たつみしょうせい)

四六版・並製268頁 
定価1,155円(消費税込み)
文芸社
ISBN978-4-286-12296-0

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